ワラスボの名を冠しておいてミルワームすか⁉
ついに!重い腰を上げブログを開設いたしました。
本来は採集の記録的な感じでTwitterで書ききれない熱量を発信していくという方向性で運用していくつもりであった当ブログですが…何せ脳が低スペックな記憶容量しか持ち合わせていないためあの時の情熱は記憶とともにどこかへフェードアウト
何かのはずみで戻ることを期待しつつ記念すべき初ブログの主題はミルワーム!
餌用昆虫として古くから親しまれた昆虫であり、それ故情報がとっ散らかっている気がします。その中からある程度信憑性がある情報を自分の中の情報を整理する意味合いも含めまとめていきたいと思います。
ではでは!
コメノゴミムシダマシ(Tenebrio obscurus)
通称ダークミルワーム
熱帯から温帯に広く分布(インド原産)
見たことない。一般に売られているのはほぼ間違いなく後述のチャイロコメの方。写真を見る感じチャイロコメよりも更につや消し感が増し鉄器を思わせるマットな質感。体長はチャイロコメノよりやや大きいとされる。
幼虫の褐色が強いことから‘’ダーク‘’ミルワーム。現在ではペットショップはおろかネットでも販売しているとこを見ないので野生化しているものを見るしかない…見てぇ?
チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)
温帯の冷涼な地域(ヨーロッパ原産)
幼虫(終齢)25㎜ 成虫15㎜
普段目にするミルワーム。羽化直後は白く徐々に赤みが増し、最終的には茶褐色となる。雌雄は前脚の脛節内側の毛と湾曲具合で見分けられる。オスは毛が密生し湾曲がやや強くなるがこれは交尾の際にメスを掴むためなのだろう。日本には定着していないようだ。
腹部から悪臭を放つとwikiにあったので試しに嗅いで見たところなるほど、微かにガソリンスタンドのような香りがする。この香りのせいで餌に向かないとされるが家のクサガメとミヤコヒキは問題なく食べた。どちらかというと硬さの方が餌としての利用の障害となっているような…鞘羽がまんまウ〇チになって出てくる。
飼育は至極簡単、餌兼床材に成虫を適量放って放置。これだけで増える。我が家ではローチの餌に使っているペレット状のウサギの餌を使っている。ただし卵からある程度成長するまでは粉末状にした方が感覚的に増殖率が高い。おそらく顎が未発達で食事にありつけないのだろう。卵は粘着物質とともに生み出され、プラケースでは底に産み付けていることが多いため卵の表面を餌材が覆う構造が観察できる。
コメノは暑さに強く、チャイロコメは寒さに強いらしい。実際保管する際は冷蔵庫に入れるが問題なく生存しているためかなりの耐寒性を持つ。一部地域を除き室内であれば問題なく通年飼育が可能で約一年でワンサイクルである。
Futtertiere(PraxisRatgeber)というドイツの飼料昆虫についての本?で「ライフサイクルは最適環境で3ヶ月、メスは1ヶ月ほどの成虫期の間に160個ほどの卵を産むという。卵から約1ヶ月で餌サイズとなり、7回の脱皮をして蛹になる」って書いてあるらしい…結構高回転でいけるのね。後述するYouTubeの動画でも2ヶ月でほぼ最大サイズになっているので多分正しい。
共食いはしにくいとされるが高密度かつタンパク質が不足している環境下では特に蛹が齧られやすい。以前ドックフードを与えていたころは同等の密度であってもそこまで共食いは見られなかった。蛹と外骨格が硬化するまでの期間は抵抗力が弱いため大量に増やしたいならば隔離するのが無難だろう。また羽化不全の減少にもつながる気がしてる。
湿り気の多い環境下では真菌に感染し黒くなり死亡する。程度によっては全滅もあり得るため乾燥状態での飼育が基本であるが成虫に関しては昆虫ゼリー等で水分を与えた方が産卵数が増えると思われる。
環境収容力ギリギリまで容易に増殖してくれるので収量は底面積にほぼ比例するといえる。経験上小型のケージを使った飼育の方が管理も楽で成功率も高い。量が欲しいなら22×12㎝程度の中型プラケ、そこそこでいいなら14.5×7.5㎝の百均の小型プラケースで十分だ。小型プラケを使用しずぼらな管理かつヤモリ二匹とカエル一匹の餌として利用しても最終的に200匹ほどのミルワームを得ることが出来ている。
ちなみにミルワーム一匹当たりの重量は終齢で0.10~0.12程なのでgで買う際は参考にしてもらいたい。
余談
一度思い付きでデュビアのケージに同居させてみたことがあるが問題なく生育し、フンだけでなくカビの原因になりやすいデュビアの死体を迅速に分解してくれるという利点があり。ミルワームを取り出しにくいこと掃除が多少面倒になるという欠点を考慮してもオススメできる。
餌として小麦粉や白米、糠を与えてみたがどれもイマイチであった。ウズラの餌は粒子も細かく向いているかと思われたが湿気を吸いやすいのか粉ダニが大量発生しある日蓋を開けるとモコモコに…という失敗をやらかしたのでもうやりたくない(逃げ出したダニでケース周辺だけが埃をかぶったように見えるという惨状が発生した)。
海外なんかではレオパの主要な餌として使われたりコンポストや鶏の餌等かなりメジー。‘’mealworm‘’で調べるとかなりの量(ダブルミーニング)が出てくる。最近は昆虫食ブームもあってか動物の飼料用だけでなく人用の養殖も結構活発になってるのかな。ちょっと衝撃的だったのは韓国のミルワーム油。いや、批判的な意味じゃないよ。ミルワームは油分が多く雑味もないからフスマやキャベツから油を得られるって考えればすごい画期的だと思ったんだけどコメント欄は阿鼻叫喚だったw。おじいちゃんの笑顔が素敵。
ツヤケシオオゴミムシダマシ(Zophobas atratus)
通称(ジャイアント・ジャンボ・キング・ロイヤル・スーパー)ミルワーム
中南米原産
幼虫(終齢)45㎜ 成虫25㎜
やけに通称多くないコイツ?最近は「レッド」なるものも出てるし…
ミルワームが日本で流通するようになったのが1980年代ごろジャンボは1995年頃からだそうでわずかに新参者。頭楯がオスでは深く湾入するがメスではほぼ直線であるという点で容易に雌雄の判別が可能。幼虫はノーマルミルに比べ色が黒く頭がデカい。雑食であるが肉食傾向が強く成長に動物性たんぱく質を必要とする。高密度環境では共食いを避けるため蛹化しないという特徴を持つため、餌として使用する幼虫状態でキープできるという利点がある。ノーマルミル同様成虫になると臭いを出すが、腹部ではなく頭部と前胸背板の間からゲンゴロウかのように臭いのある白濁液を出す(よく見ると出る位置少し違うな…)。面白かったのでペットショップで即日購入現在飼育中。
「レッド」もおそらく同種で赤サシみたいなもんなんだろうけど正体分からず、今度見かけたら飼育してみたい。
植物防疫法に抵触するのでは?とのことだがミルワームが西欧で普及したのが20世紀に入ってからつまり1900年以降であり、販売されるようになったのが第二次世界大戦後1945年以降(このタイミングで日本にも入ってきた?)、植物防疫法が制定されたのが1950年、ジャンボミルワームが入ってきたのが1990年頃とされているため本種だけが抵触するという理解でいいのかな?
まあ、今現在野外では定着しておらず農業に被害も出てないので結果的にはOKになっているわけだが…ペット業界は闇が深い。
まとめ
いかがでしたか(笑)。はい、ブログ大変だなと思いました。これで3000字ちょいか…論文って何万字でしょキツ。研究者ってすごいですね。今更ミルワームなんてまとめてどうすんだって感じだけど自分の中の情報整理が一番の目的だったんでかまわんのです。詳しい飼育法やコツはいろんな人が出してるんでそっち見てくれ。
ネットの表面かっさらっただけなんで間違いとか疑問点は遠慮なく指摘して!間違ったままでいるのが一番やばいんで!
むしろ指摘されると喜びます!信じてください!
・・・みずがめ座です
ps.栄養価とかはよくわかんないので触れませんでしたが非常によくまとめられ信憑性もある素晴らしいブログがあるのでこちらをどうぞ。
【2019年版】餌虫の栄養価を徹底比較 ‐ コオロギ類、ワーム類、デュビア類を比べてみよう - とある獣医の豪州生活Ⅱ (hatenablog.com)
以下参考にしたサイト等也
ジャンボミルワーム歴史云々↓
商虫列伝(2) 輸入もの/釣り餌の”商虫”列伝 -- 公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会 -- (jataff.or.jp)
雌雄見分け方や形態的・生態的特徴↓
ブログからの孫引きミルワームライフサイクル↓
チャイロコメノゴミムシダマシ (bekkoame.ne.jp)
ミルワーム油↓
これは最高のタンパク質凶悪犯です! 未来の食用昆虫、幼虫 / 韓国の食品工場 - YouTube
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